第97章 弁護士通知書を受け取る準備

その声は、有岡里穂にとって聞き慣れすぎていた。

健太兄さん――。

どうして、ここに?

「行くぞ。確認する」阿部蓮太郎の声は、ひどく冷えていた。

不機嫌なのが一瞬で伝わってくる。里穂は慌ててシートベルトを外し、彼の背を追った。

眩しいハイビームの光から離れて、ようやく見える。

有岡家の兄が――三人とも、揃っていた。

そして、そこに西川安菜の姿はない。

……つまり、安菜の件で乗り込んできた?

二人が車を降りるや否や、有岡家の三兄弟は一直線に歩み寄ってきた。

岡里穂! 今すぐこっちへ来い!」

隼人が険しい顔で怒鳴る。切れ長の目が、暗闇よりも暗い。

「阿部蓮太郎はまともな人間...

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